うんじゃくせしぼんを開く。

読んだことのある本などの感想をかいていこうとおもいます。記事はダウンロードできません。

理想のヒモ生活 9巻 感想

ヒモ生活というタイトルなのに相変わらず妻子のために精力的に働く主人公。
政治の話となるとライトノベルやネット小説では国が滅びそうだ内乱だ侵略だといった派手な方向に行きがちだがこのシリーズでは安定した立場どうしの比較的穏やかな政争がメインになります。

 

多少失敗したところで主人公の立場が大幅に悪くなることは無いと解っているので安心して読めます。


別に主人公が好きではないが目的のために主人公に近づく女性キャラが魅力的に書かれているのもこのシリーズの魅力。
 
内容的には現代知識チートで大国の王様をやりこめる話でなのですが、確かにやりこめるのは成功したものの無駄に有能さを示してしまい目を付けられ他国に有益な技術を流出させてしまうという失態をおかしてしまう。

そこら辺の勝ちきれないところも魅力だとは思うのですが。


謎の組織『協会』が侵略に来る可能性をほのめかしつつ終わるという感じでです。

 

今回はちょびっと善治郎がキレました。

やはり3年程度のなんちゃって王族では急所を突かれると庶民としての感情が出ちゃいますね。その辺が自然で凄くいいです。

まぁ、常に平静を保つことで失点を出さなかったんですが、今回は保てなかったことでちょっとやらかしていますが。

で、相変わらず、表紙の子やら、大貴族の子やら、善治郎の側室候補が顔を出します。悲しいばかりにスルーされていますが。一人、既に陥落した某姫様のような反応を示したのがいましたが。多分、あの子は気が合うんだろうな。いや、私は表紙の子のあざとさが好きですが(善治郎はそのあざとさを見抜いて心の閻魔帳にしっかりマイナス評価してたり)。

双王国には、目を付けられましたので、今後は表紙の子、ボナ王女、大貴族の子のどれかからの側室攻勢が強まりそうです。

 

 

 

ソード・ワールド2.0リプレイ 竜伯爵は没落しました! 2巻 感想

前巻の大惨事をみて、ダイスゲームは波乱が怖いと再認識、
ギリギリの攻防が楽しい(SW2.0リプレイのガレリアやレーゼルドーン)のはもちろんですが、
GMとプレイヤーの技があれば大惨事が物語を膨らませてくれることもあります。
SW1.0でのイリーナ沈没や、ダブルクロスエクソダスの矢野PCジャーム化と
その後の物語はまだまだ記憶に残っています。

素人のゲームなら、主人公死亡時点でやり直しとかもありうるでしょうが、
プロフェッショナルとして後をどう繋げてくるか期待してました。

過去に積まれた設定を振り返ると、
穢れMAXのドレイクの蘇生と剣の復活、あるいは蛮族領の領主として相応しい強さを手に入れる為には、

1.魔剣を折って(ORどっか遠くに封印して)穢れを減少してリザレクション
1-1.イレイス・ブランデッドの後にソウル・オブ・ドレイク的な剣を手に入れるOR封印した剣を戻す
1-2.蘇生後に血の接吻でノスフェラトウ

2.コールゴッド
 魔改造の穢れた体でもまっさらに出来ると、ルルブかどこかに在った気がします。
 ならば、低レベルのドレイク一匹くらい、神様ならどうにかできると思います。

3.ジャガスラ
 新米女神キャンペーンで出てきた穢れの出し入れができる魔剣のようなものを手に入れる、
 穢れが抜ければ、普通に蘇生とイレイス・ブランデッドの後に穢れを戻せばいい。

普通に考えれば1-1だと思いますが、死体が剣を折るのを嫌がっている、
更に母親が事故の影響で剣折れのうえに下手人容疑者に求婚されているということで、
期待も膨らむ第二巻です。

二話構成で、一話目は秋田さんお得意の愉快なダンジョン、
そして二話目は何かこれまでのSW2.0とは全く異なる風情の物語の展開になります。
細かい話はネタばれなので避けますが、シャドウランとかゲヘナとかが好きな人は気に入るはず。

雰囲気として、偽悪を楽しむと言うよりは、目的のためには手段を選ばないのが基本だけど、
感情のためにそれを覆すこともありかも、みたいな感じです。
普通ならばPCの選択肢として入ってこないような手段も俎上に上がってくるのが楽しいのです。

基本的には復活の方法探しとなるのですが、探しに行ったところが客分のアシュリーの故郷、
アシュリーがヴァルテックにやって来た経緯に故郷の後継者抗争が関わっていて、
建前より実力の現実の中でのPC/NPCの判断や立ち回りもまた面白いものです。

色々在って坊ちゃん復活の手段が見え始めましたが、
最後にGMがひっそりと意地悪な笑いを浮かべていて続きが楽しみ。

そして今回も荒れるダイス目が惨事を呼び込みました。
TRPGはサイコロのおかげで赤い彗星になれることもありますが、酷い目に遭うことが多い気がします・・・

 

ゴブリンスレイヤー 5巻 感想

前の二巻ではゴブリン成分が少々薄くあれっといった感じもありましたが今回はしっかりとゴブリンしてます。
ほぼ一巻丸ごとゴブリンゴブリン言ってます。
ヒロインたちも魅力的でラブコメの雰囲気も確かに悪くはありませんがこのシリーズにヒロインを求めているひとももちろんいるとは思いますがヒロインはあくまで話を彩る花でありメインはゴブリンゴブリンうるさいなんか変なのだと思ってます。
相変わらず普通の冒険者はしない無茶な策を講じてみたりとゴブリンスレイヤー成分マシマシで楽しめました。

読んでいる途中から、あれ?っと思っていたのですが・・・今回は、今までの
作中に出てきた、その話内の新キャラの中では一番(体の一部を含む)挿絵に登場してるかも・・・と。
剣の乙女は、立場的・心情的にも依頼などの形で今後も、再登場しそうですが

ゴブスレパーティは、シンプルな”火力”は、不足気味ではあるので
(弱体・状態異常・防御・回復方面は、充実) 超火力=スクロール(希少品:所持0状態)

今回の令嬢剣士は・・・さて、どうなるんだろう  と。

令嬢剣士・・・ポテンシャル的には、駆け出し勢の中ではトップクラス?
見習い聖女は、奇跡1回。
女神官の初パーテイにいた、白磁の女魔術師は呪文2回(努力家)で、学院の将来大成の評価。
銀等級の槍使いが、呪文2回。
白磁の令嬢 ”剣士” で・・・すごそう。


ゴブスレパーティーが、ゴブリン相手だと赤字かも~的な会話があり
剣の乙女経由からの依頼報酬や、某人物からの前払い(換金したら価値はいかほど)などの点も
興味が湧きました。 赤字が続くとやばいので・・・
妖精弓手企画の冒険(一攫千金狙い)は結構重要なんじゃないかと。
ソロ活動が減って2人~5人の活動(内 銀等級4人)。 
そして、槍使い・魔女と、重戦士・女騎士(+3人程)のパーティーよりも
銀等級メンバーが多いのを考えると・・・?! ※前巻までに、別行動の描写もありますが。


スクロールの件もそうですが、本書でもゴブスレの小道具に対する魔女の協力(料金不明)の気配が。
スクロールに続いて、今回も要所で魔女が関わっていそうな、小道具が大活躍。
ゴブスレと魔女の、依頼のやりとりシーンとは(笑)
槍使いが、ゴブスレと魔女の依頼請負関係を認知してる描写なし・・・

次巻も待ち遠しいです。

 

人形の国 1巻 感想

舞台は極寒の星アポシズム。リベドア帝国兵に追われる謎の人形少女タイターニアを助けた主人公のエスロー。
しかしそれが原因でリベドアの襲撃に遭い、住居・恩師・恋人・教え子等全てを失い自身も致命傷を負ってしまうが
タイターニアの助力を得て自らを人形化し反撃、これにより難を逃れることが出来るが失った物は余りに大きく…
エスローとタイターニアの復讐の旅が今始まる。



あらすじをバァーッと書いてみましたがいやー王道ですね。シドニアの時点でかなり大衆向けになったと感じていましたが更に取っ付き安くなった印象です。


今まではやれ珪素生物だのやれガウナだのワケわかんない相手とばかり戦ってきた弐瓶漫画の主人公ですが今回はようやく人間が相手となります。


これにより敵側にも感情移入しやすくなりました。まだ顔見せ段階なのですがなかなかイイ感じの敵キャラが揃ってる感じです。

 

この様に今回の「人形の国」は王道をしっかり踏まえつつ弐瓶漫画の特徴である魅力的で圧倒的な世界観を維持している作品という印象です。


よって今までの弐瓶作品ファンはもちろんのこと、イマイチ踏ん切りが付かなかった弐瓶作品に興味を持っている方にはおススメです。
ついでに言うと今まで弐瓶作品に興味を抱けなかった人にもおススメです。漫画自体普段全然読まない人にもおススメです。