うんじゃくせしぼんを開く。

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ダンジョン飯 5巻 感想.zip

迷宮の主人にして不死者。狂乱の魔術師、現る!

炎竜(レッドドラゴン)を倒し、ついに妹のファリンを救出したライオス。
ホッとしたのも束の間、彼らの前に、迷宮の主・狂乱の魔術師が現れる……!
果たして、ライオス達は生きて迷宮を脱出できるのか!? 
生きて帰るまでが冒険だ! 食事もストーリーも怒涛の第5巻!

 

4巻で物語が一段落したのに、すべてをひっくり返すような出来事を起こして
即座に第三のパーティの描写に移っていく怒涛の構成にすっかり引き込まれました。
「読者を飽きさせない」ことに関しても九井先生は一級ですね。

今巻のテーマは「ステータス異常」でしょうか。
RPGで大いに困らされるアレ、アイテムや魔法一つで案外あっさり解消しますが、
それらについて対処から完治まで膨大なページが割かれています。
裏でここまでのドラマが既存のRPGにもあったかもしれない…としみじみさせられます。
そして和装で固めた新キャラたちがたっぷり登場するあたり、高まる『Wizardry』感がたまりません。
九井先生、ひょっとして全作プレイしてたりしません?

一方で個人的に残念だったのは、引き続き「飯」の描写が少なかったこと。
作中の全パーティがせっせと料理するわけではなく、他キャラの描写が多い今巻では当然かもですが。
また、相手が悪党といえど人が人を始末するシーンがあるのと、
人間の女性型の魔物を一刀両断して「(正体は)植物だし」でわりとあっさり済んだシーンに戸惑いました。

シビアな中世RPG世界観では当たり前という見方も出来ます。
これまで、読者側の気持ちを代弁してくれるような台詞も多かったのですが、
ここからは読者に感想を委ねていく形なのかもしれませんね。

最後に、狂乱の魔術師も出番少なめながら良いキャラをしていました。彼女(彼?)の素性も気になるので
一気に増えた登場人物が今後どう絡んでいくのか、とても楽しみです。