うんじゃくせしぼんを開く。

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学園交渉人 法条真誠の華麗なる逆転劇 感想

キャラクタやテーマをはじめ、根底となる部分にはいささか見慣れた感はあるものの
オレさま的な主人公と、ワケあってこき使われる少年との賑やかな掛け合いはおかしく、
各章ごとにおいて問題がそれぞれ発生していく形式なので、週刊連載の漫画を読んでいるような感覚で楽しめました。


1章ごとの起承転結も見事で、背後に潜む大きな黒幕のほのめかし方も巧かったので一冊を通しても読者を飽きさせない作者の熱意を感じ、エピローグでの引きなどうまくまとめられています。

物語の『容量』もほどよく、この巻だけであれこれと詰め込みすぎていないのも好印象です。

ただ依頼の真相が結構わかりやすく、話が進むにつれて扱いも軽くなっていくような・・・。
このほか、少女の意外な正体にも唐突さがありそこまでに匂わせるものがほしかったです。

とはいえ、一度は失敗をした少女が、少年と対立をしながらも自身のあるべき姿を模索、
懸命に道筋を見つけ出す終盤とそれをどこかで期待していたような少年との関係も良く、
さらには二人の出会いへと遡り、決意を新たにする様子は、続刊を楽しみにさせてくれます。